【初・中級者ギタリスト向け】マルチエフェクターを使った音作りのコツ

・マルチエフェクターを買ったけど、設定項目が多くてわからない
・アンプへの繋ぎ方が複数あるらしくて謎
・そもそも音作りってどうするの?

ギター初心者の方も、そこそこ弾ける中級者の方も、意外とマルチエフェクターの扱いに悩んでいる方は多いのではないでしょうか?

そんな方の参考になるよう、ひとつの音作りに対する基準とマインドを伝えられるよう記事にまとめてみました。

私は音楽の専門学校を卒業し、かれこれ20年近くミュージシャンとして生活していますので、多少現場も見てきました。
自分自身、音作りに悩んだ時期もありますので、同じ悩みを持った方へ良い案内が出来るかと思います。

マルチエフェクターの種類

あえて種類から書いていきますが、これはマインドの部分に影響するからです。

ギターのこういった機材には3種類あります。

・コンパクトエフェクター
・マルチエフェクター
・アンプシミュレーター

基本的にギターという楽器はずっと、生のアンプを使って音を出すものでした。

コンパクトエフェクターはアンプで足りない歪みを足す際や、少し音の方向性を変えたい時、特殊な効果を使いたい時などに使う機材。
BOSSのSD-1が有名ですね。

マルチエフェクターはコンパクトを寄せ集めたもので、またまたBOSSからGT-5などが有名です。
当時はLUNA SEAのSUGIZOさんも使っているということで話題になりました。

アンプシミュレーターというのはその名の通りなのですが、実際にアンプに繋がずとも、アンプの音とそっくりな音が出せる機材という位置付けでした。
Line6のPODが発売されてから有名になりましたね。

PODが出た時は、どのミュージシャンと顔を合わせても『PODは凄い!』『PODはアンプだ!』としかいいませんでした。
こっちからしたら『マルチエフェクターでしょ?』くらいにしか認識していませんでしたが。

その時に音楽専門学校の先生が言っていたのが、『PODはエフェクターじゃなくてアンプなんだ。みんなエフェクターとして使うから音が変になる。アンプだと認識して使わなきゃいけないんだ。』と仰っていました。

この言葉は結構今でもよく思い出すのですが、確かに私もPODをアンプとして使うようになってから少し出音が変わった気がします。

アンプシミュレーターはアンプとして音を作りましょう。

さて、今の時代主流になっているのは、このアンプシミュレーターとマルチエフェクターが合体したものが殆どのように思います。

BOSSのMS-3などは生粋のマルチエフェクターですが、私が良く紹介しているAmpero等はアンプシミュレーターが入ったマルチエフェクターです。

この記事では一括してマルチエフェクターと呼んでしまいますね。

もしアンプシミュレーター入りのマルチを持っているならば、是非アンプを弄っているんだというマインドで音作りをしてみてください。

認識が変わったからって何が変わるの?と思われるかもしれませんが、何となく扱い方が違います。
わからなかったら取り合えず気にしなくてもいいかと。

マルチエフェクターの繋ぎ方

では次はマルチエフェクターを繋ぐ方法についてお話してみます。

基本的にはアンプのセンドリターンに挿すというのがセオリーになっていて、マルチのOutputからヘッドアンプのリターンへ繋ぎます。

大丈夫です、裏に挿しても壊れないから。

ヘッドアンプというのはプリアンプ+パワーアンプという構成を一つにまとめたものなのですが、アンプシミュレーターはこのプリアンプの部分をシミュレートしています。

なので、マルチエフェクターをこのプリアンプとして使ってしまおうということです。

一般的にプリアンプは音色を決める部分。
パワーアンプでその弱い信号を増幅し、キャビネットからその増幅された音を出します。

その為、音色を決める部分をマルチエフェクターで作ってしまえば、どんなアンプだろうがどんなスピーカーだろうがいつでも自分の音を出せるという理屈です。

最後の方で少し突っ込んで書きますが、そんなことはないんですけどね

しかしそういう面もなくはないという意味で、マルチエフェクターのプリアンプを使い、ヘッドアンプのリターンへ繋ぐという使い方をするのが基本的な使い方になっています。

勿論、その際はマルチ側の設定でパワーアンプをオフにしたり、キャビネットシミュレーターをオフにするといった設定は必要になります。

Helixではプリアンプ部のみを選択して音を作ることが出来ますが、Amperoはアンプという項目しかありません。
『アンプってことはAmpero内部ではパワーアンプの設定も含まれているんじゃないの?』と思われるかもしれませんが、気にしなくていいです。
プリアンプです。
公式ホームページでリターンに挿すのを推奨してるくらいです。
その他のアンプシミュレーターも、内部でアンプと一括りにされていたとしても基本的にプリアンプとして使用できるはずです。
出来ないのは逆に聞いたことないかも。

でもこれって結構落とし穴だったりします。

こういう機材って、結局そのままアンプのインプットに繋いだ方がいい音が出ちゃったりします。

いや、仕組みとしては間違ってるんですが。

マルチでプリアンプ使ってるのに、アンプのプリアンプも経由してしまうわけですから、タブー中のタブーなんです。

でもあえてわかりやすく言ってみましょう。

『こういう足元系機材は結局ナンチャッテだから、ごちゃごちゃ考えずインプットに挿せばいんだよ。』

スタジオで作った音色って実際ライブハウスだと全然音が違って聞こえることよくあるんです。

そりゃ人も増えるし、広さも、建物の材質も、PAの環境も、アンプの状態も…何から何まで違いますから同じ音が出るわけないです。

そういう時の為に、たいていのマルチにはグローバルEQという、マルチ自体に効くEQがついているのですが、これをアンプでやっちゃいたいってことですね。

なんか音も悪くないし、これでいいじゃんってことです。

大丈夫です、壊れないから。

意外と一般的な使い方なので安心してくださいね。

音作りの前にしておくといい3つのチェックポイント

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事前にチェックしておくと結果が変わってくるポイントをご紹介します。

尚、音を作る場所はどこでも自宅でもスタジオでも大丈夫ですが、自分が音を出したい環境を選んでください。

自宅で出す音を作るなら自宅で。
スタジオで出す音を作るならスタジオで。

実際にプリセットをひと通り音出しして好きな音を探す

マルチエフェクターに最初から入っているプリセットですが、これは制作会社が『この機材はこんなことも出来るんだぜ!』というアピールだと思ってください。

その為多少エフェクトのかけ方が大げさだったりしますが、ここで基本的な構成や使い方をチェックしておきます。

『インギーみたいな音だ!かっけぇ!』

でもいいし、

『なんだこの宇宙的サウンド!どうなってんだ!』

でもいい。

とにかく直観で、この音は好きだと思った音をメモしてリストアップしていきましょう。

見ておいた方がいいのは以下のポイントです。

・どんなアンプの音が好きなのか。
・どんな空間系エフェクターを使うとどんな効果が出るのか
・ツマミの位置がどんなふうになっているのか

プリセットを見て少しマルチの操作感に慣れることはとても大事です。

これらがこの機材を使って音を作る上で、ある種の基盤になります。

出したいギターの音を見つけておく

これが大事です!

どんなジャンルもそうですが、リファレンス(参考資料)が大事です。

自分が好きなギターの音を一つ決めてそれを目標にしましょう。

そしてそのギターがどんな機材で録音されているのかを事前に調べておくんです。

例えばマイケルジャクソンとの共演で有名になったオリアンティがスティーブ・ヴァイと共演しているHighly Strung。

この音をリファレンスとする場合、オリアンティの機材を検索してみます。

するとどうやらアンプはENGLのSAVAGE 120というアンプだということがわかります。

彼女の使っているエフェクターも少し調べれば出てきますので、それを音作りに活かしていきます。

勿論ギターがハムバッキングかシングルコイルかもチェックしておきましょう。

ピックアップが異なると、音の根本が違ってしまうので致命的です。

ギターの音とリファレンスを同じ環境で聞けるようにしよう

自宅でヘッドフォンを付けて弾くなら、同じヘッドフォンからリファレンスも聞けるようにしましょう。

スピーカーでギターの音を出すならリファレンスもスピーカーで。

リハスタで音を出すならリファレンスはミキサーに繋いで同じ音量で聞けるようにします。

これは音の出力環境がバラバラだと聞こえ方が変わってしまうので、それを防ぐことが目的です。

マルチエフェクターでの音作り・実践編

それでは実際に音を作ってみましょう!

事前に言っておきますが、マルチって物によっては凄い弄れるツマミがいっぱいあると思うんです。
キャビネットにも色々弄れる箇所があったり。
実際のヘッドアンプにはないような設定項目があったり。

そういうの全部無視しちゃいましょう!

どうせミュージシャンでもちゃんとわかってる人意外といないですよ。

だから音を作ることを専門に仕事してる人がいたりするんです。

基本はアンプの設定です。

基本的な部分を抑えて、慣れてきたら色々試してみるでいいと思います。

作りたい音と可能な限り同じアンプを使う

リファレンスで調べた機材と同じ機材を使ってみましょう。

オリアンティの例であれば、ENGLのアンプを使います。

キャビネットもENGLEで統一して大丈夫です。

無かったら…もう一つ一つ音を出して、一番近いと思われる音で決めるしかないです!

ずっと音を聞いていると耳がマヒします。
休憩を挟んだりして焦らず作りましょう!

ちなみにマルチエフェクターでは、アンプだけの歪みではなく、ディストーション等の歪みエフェクトがセットでひとつの音だという伝説があります。

ENGLのアンプを使っているとしても、少し歪みを弱くして、チューブスクリーマーなどを使って、セットでひとつの歪みサウンドを構築する…ということです。

理由はわかりませんが、確かにそういう使い方をしているミュージシャンは多いです。

判断はお任せしますが、定石に従ってみるのも最初はいいかもしれません。

ちなみに歪みサウンドを作っている間はその他の空間系エフェクトやEQは全てオフにしましょう。

アンプとキャビ、歪みエフェクトだけで大丈夫です。

結局これが基盤ですから、これがリファレンスと遠いとどうにもなりません。

アンプのイコライザーセッティングの仕方

基本的にアンプにはPresence・Treble・Middle・Bass・Master・Gain等のツマミがあります。

曲者なのが、これはアンプによってツマミの影響する帯域や効果がちょっと違ってきます。

良く中級者辺りに多いのが、ツマミの指す位置に固執してしまうことです。

一番大事なのはツマミの位置ではなく、ツマミを動かしたことによって変わった出音です。

BASSがMAXになっていると、視覚的にはBASSが出過ぎなんじゃないか…?と思ってしまうわけですが、実際にアンプから出ている音は全然LOWが出ていないかもしれません。

ちなみにマーシャル900はPresenseのツマミがパワー管に対して効くため全帯域に影響し、一般的なTrebleの役割になっていて、Trebleは超高域だから基本0か1。MIDは中高域になっている。
なんてことが言えます。

アンプAとアンプBでは同じTrebleのツマミを回しても、持ち上がる帯域が全然違う…なんてことが普通なので、使用するアンプの特性も調べておいた方がいいでしょう。

Roland JC-120はほぼ全てのリハスタやライブハウスに置いてありますが、これは最もベーシックなアンプだからというのがその理由です。
操作感もそうですが、音作りの基準として記憶しておくと、『このアンプのMIDははJCより高い位置が動くなぁ』とか『このアンプはJCより低域が出る』という考え方が出来ます。

音作りの基準としてJCを覚えておくのは一応基本になっています。

ツマミを動かす時は大胆に!

チマチマと、ちょっとずつツマミを動かしては聞いて、動かしては聞いて…を繰り返す人がいますが、あまりお勧めできません。

いっそ大胆にやってみましょう。

まずはそれぞれのツマミを全てゼロにして、個別にMAXにしてみましょう。
どのツマミを持ち上げると、どの辺りの帯域が持ち上がるのかを確認します。

繰り返していると少しずつどの辺りまで持ち上げればリファレンスに近いニュアンスが出るか見えてくるかと思います。

一般的な音の作り方としては以下のとおりです。

・全てのツマミを12時に合わせて、一つずつ調整していく
・全てのツマミを0にして、ひとつずつ足していく
・全てのツマミをフルテンにして、ひとつずつ削っていく

といってもプレイヤーによって言うことは変わるので、自分が一番やりやすい方法を探す方がいいかもしれません。

基本の歪み音が完成したら、それに合わせて空間系を足しましょう

ジャンルや好みにもよるので何とも言えない部分がありますが、ショートディレイを使ってダブリングしてみたり。

軽くリバーブを加えてみたり。

ギターソロならロングディレイをかけてみたり。

正直、歪みの音が完成したらあとは自由です。

といっても、実はリファレンスの音ですが、ほぼ間違いなくギターの音はレコーディングした後にDAWでEQやコンプレッサーなどかけられていて、加工された音です。

他の楽器の音と被っている帯域を削ったり、逆に良い帯域は増幅して持ち上げたり。

なので完全に同じ音にする…というのは実はあまり現実的ではありません。
元々使っている機材もギターも、弾き手も違うわけですからね。

結局のところ、どこまで音を近づけられるか…というのが問題になります。

どうでしょうか、作った音はリファレンスに近づきましたか?

音作りの豆知識!知っておいて損はないかも?

・ライブで使うならば、クリーンだろうが歪みだろうが、マルチで使うアンプは統一しておいた方がいい。
・ディストーションサウンドは、ギターのボリュームを絞ってみて、クリーンにならなかったら音の芯がないので失敗です。
・パワーアンプでもキャビネットでも音変わるからね

最後のだけ解説しておきます。

この記事最初の方で、プリアンプで音を作り、パワーアンプで増幅してキャビネットから音を出すと言いましたが、あれは嘘です。

何故か常識としてこんな風に言われているのですけど、真っ赤な大嘘です。

パワーアンプが変われば音も変わりますし、キャビネットなんて出音の約50%を占めているとも言われています。
実際キャビネットが変わると全然違います

なんでこんなことが常識みたいな感じで言われてるのかよくわからないですけど。

しかもライブハウスだと、置いてあるアンプやキャビが状態いいのはありませんから、かなり出音が変わります。

だからプリアンプだけ持ってても自分の音なんて出せません

必ず調整が必要になるんですね。

だから、これからライブ演奏をしたいと考えている人は覚えておいた方がいいかもしれません。

最後に

いい音って何でしょう?

実は私はいい音の定義がよくわかりません。

自分がいいと思ったらそれがいい音なんじゃないかなって思います。

バンド形態の場合、他のメンバーの音の中で交って自分の音がどう聞こえるかも大事です。

以前『今日は全然いい音が出なくて気分がちょっと萎えるなぁ』なんて思っていたライブで『めちゃくちゃ音よかったです!』って言われたことがあります。

マーシャル直でツマミ全部フルテン、BASSだけ0にしたセッティングなのに…?

なんてこともありました。

ギターの音が抜けて聞こえたら『なんかいい音っぽい!』って感じる人もいると思うので、沼ですよ。

一番のポイントは、自分がどんな音を出したいのかをはっきりイメージすることだと思います。

頑張りましょう。

 

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